一瞬の迷いで見つけてしまって。


 空を見上げて「あ、人工衛星!」って思ったけど、雲が動いてるだけだったよ。


 ふと自分の持っている物を見回して、なにか売れるものはないかなーと考えてみた。それなりにある電子機器たちは、当時の栄光を失っているものばかりだ。CDや本の価値はお金にすると微々たるものすぎて、もはや手放す気にならない。実はものが一杯のように見えて(実際そうだけど)換金性の高いものなんてほとんど持っていないんだな。部屋のトータルの価値なんて、思い出税が重くのしかかっているだけ。震災後にアルバムや遺影などを必死に探す被災者の心境が少し、分かった気がする。
 AKBというグループも同じなのかな、と思う。ストーリーで売る、というパターンそのものだ。だから人(ファン)は、握手会というシステムにお金を落とせるんだろう。総選挙に全力を出せるのだろう。しかしこう書くと、メンバーの能力がない、と言っているように聞こえてしまって批判されるかも。でもそれは事実かなと多分に思っている。ソロでもそれなりに売れていたかもしれない。しかし今の地位は不可能だっただろう、と考えるのが普通だと思うぐらいの位置に座している現状。
 メンバー個人という小さなマスで輝きが変化する毎日。この部屋全体が流されてしまうとき、果たして見つけてくれるのは誰で、どの思い出の品だろうか。


 人工衛星を探していると、たくさんの星が動いているように思えて仕方ない。都合良く。