唯一の存在で。


久しぶりに降る雨を待ち遠しく思えるやさしい空気が流れる。


世の中は誰でもできる仕事が多くて、勉強したり経験を積めば代わりだってできる。もちろん自分もその歯車の中に組み込まれていて、何一つ誇れることなくここまで生きてきている。
近頃感じるのは、アイドルを凄いと感じるこの気持ちは、独自性への憧れからきているのではないか、ということ。実際には推し変という言葉が存在するとおり、アイドルですらその存在を孤高のものにし続けるのは難しい。しかし、そこまでファンを勝ち得てきたのは、その人の努力や本来持っている特質や容姿。こればかりは、総合的に好まれるものであって、何かを努力したからと言って同じになれるわけではない。
アイドルという偶像は作られた世界でしか生きていないから、こう感じるのかもしれない。しかし私とて広い意味で作られた世界で生きているので、やはり尊敬の対象からは外れない。必要とされ続けるための努力ができる人になりたい。


年を重ねるごとに、普通のことをしていたら普通のこと以下しか返ってこなくなった。若い時の可能性の掴みやすさを感じる。