自然災害後の人災に備える。


 結局めんどくさがりは命を落とすんじゃないかと思う。


 今度は水が危ない!と同僚が騒いでいた。とりあえず手近にあったミネラルウォーターを6本程買い求めていたようだ。以前から申している通り買い占めには特段感情を抱かないのだが、ここまで食べてはいけないものが増えてくるともはや面白い。だからといって北関東の植物をわざわざ食べたいとは思わないし、水道水をがぶ飲みして実験してやろうという気概もない。
 本来安全だったものが次々に崩れていくというこの状況そのものがもはや不安要素。その原因が放射能だろうがなんだろうが関係ない。だから当然被災地の事を考えて行動したり、ましてや元気に過ごしてる知らない近所の人の事なんて配慮するはずもない。最終的に悪者は地震じゃなくて東電と政府になるので、多少非常識な行動をしても責められる事もない。買い占めを非難する声はそのまま買い占めを促進してしまうだけだ。


 今回の震災でよくわかったのは、「自然災害の時にトラブルをおこしてはいけない!」ということ。上記のように、元々は地震やそれに起因する津波が問題であっても、対応が遅れただとか怠っていただとかで、本来の責任以上の罪が押し付けられる。マスコミもこんな時は住民側に立っておけば誰からも批判されないからと言いたい放題だ。こんな状態では健全な対処すら見えない力で阻まれてしまうだろう。
 東電の対応に瑕疵があったかどうかは、後からじっくり検証する時間もある。今は不必要に叩いて、さらに情報開示などの身動きを取り辛くする必要があるのだろうか。もちろん自分は原発問題によって被害をほとんど受けていない人だからこんなことが言えるのかもしれない。けれども、原発を受け入れていたという点では、結局近くに住む人だって同じ事。文句を言う前に、自分達が受け入れた事、その経緯について思い巡らしてみる必要があるだろう。議会が決めたと言おうが、議員を選んで意見を通すのが民主主義。話が逸れてしまったが、昨日東電の副社長が避難先を訪問した際のやりとりを見て思った事でした。
 とまあこのように、災害時には理性的な判断ができなくなる場合が多い。よって、同時にトラブルを起こしてしまうのは予想以上の不利益を生む。各企業そのことを大震災を通して十分に理解し、次なる大地震に備えていただきたい。