会うと別れがあって。


 会って話すことの素晴らしさは、雑誌で紹介された美味しいスイーツを味わうのと似ている。


 毎日文字で話していても、なぜ人間は会う必要があり、また会いたがるのか。男女関係になくても成立する基本的な習性は、時に愛情を生み出し、時に犯罪に発展する。
 自分が会うことの素晴らしい面としていつも感じているのが、文字上で難しいことでもスッキリするという効果。これは時に残酷であったりもする。TLで仲良くしてたのに、会ったら全然話せませんでしたとか、態度が違いましたとか。そうやって好みが特定されていくのも立派な効果の一つ。もちろんもっと話したいなと思わせることもあるし、誤解が解けて近づこうという気になることがあるのは誰しも経験済み。
 そう言った意味で、オフはある種戦場かもしれない。プレゼンの場でもあると思う。お勧めする商品は自分だ。これは取り繕うという意味ではなく、自然とプレゼンスの場になる。普段文字上でしかやりとりしていない関係だからこそハッキリと意識することはなくとも皆判断しているはず。TLによく居る人ならそのギャップにも気づくだろう。そうやって新しい発見をするたび、脳内で一粒の快感が生まれる。だからオフに行きたいと思う。行きたくないオフというのは、その逆だ。なんの発展性もない、プレゼンが汚いもの。


 アイドルグループの「ももいろクローバー」の一人が脱退するらしい。
 詳しい理由は分からないが、仲違いであるとか、上司の指示ではなさそう。いうなれば”一身上の都合により脱退”とのこと。グループでそれが成り立つのか疑問ではあるが、本人の意思は固いようなのできっと変わらない。誰にも相談しないで、というのは”無責任な”という考えにもつながるし、残された方としては踏み台なのか、という気持ちになるのも事実。だがアイドルとはいえ、当然ながらその人の人生がある。そして人生の中でまた違う方向へ舵を切るなら今しかない。だからこそ今回の脱退は悲しくとも本当に推しているなら、背中を押してあげるべきところなんだろう。
 そう考えて、Perfumeに置き換えるとそう奇麗事も言っていられないだろう自分が容易に想像できた。やはり脱退や解散を予め考えてファン活動をするなんていう背徳感抜群の行動が出来る人は限られる。恋人と別れたときの感情を味わいながら、それも相手の道と送れるような広い人になりたい。