今日のPerfume出演について。

　「あの日」と呼ばれる日がもうすぐ。

　幸せの青い封筒を開封する事もなく、本日はポリリズムについて考えていた。
　NHKの”明日へ”コンサート。BSプレミアムでたっぷりと放送してくれました。SKE48はまさかの公演曲「手をつなぎながら」を披露したり、AKB48は「GIVE ME FIVE!」を生演奏したりとなかなか楽しめたのです。我らがPerfumeといえば、前半でポリリズムのテレビサイズ、後半でスパイス（ショート）〜ワンルーム・ディスコ（フル）という攻め方でありました。特に前半、地デジで放送していた部分のポリリズムに思う事があり、それを書き留めておこうと思います。

　こういったテレビ番組での1曲だけの披露に用いられる事の多いポリリズム。知名度はダントツだろうし、Perfumeと言えばこの曲、と言っても過言ではないので放送局側としても使いやすく安心の1曲なんだろう。しかし残念な事に、制作が古い事もあって、いまPerfumeの差別化イメージの一つとなっている「振り付け」に関してはいささか弱い。さらに曲調もポリループを山とした不思議なメロディーで、耳には残るけれども、その曲だけで感動したり何かを連想する事は難しい。逆にある程度Perfumeについて知っていると、ポリリズムを巡る物語だとか、東京ドームからの確変ぶりを鑑み、今回のような震災復興系の番組には的確な選曲だったと判断する事ができる。
　しかしこれはあくまでファンサイドの見方。実際には前後にそのような解説を入れられるはずもなく、ただ歌って終わりの事が多いので、観客は「知ってはいるけど、どう盛り上がるまでかはわからない」状態のはず。ポリループでかけ声したり、手を叩いたりするなんてのはあくまでこちら側の作法だからそれを求めたり、ましてやできない事を批判するなどあってはならないこと。じゃあこんな曲をなぜ多用するのか？
　一つの大きな問題として、知名度だろう。ポリリズム以外に良くかかる曲といえばチョコレイト・ディスコぐらい。それですら一般人が認知しているかどうかは怪しいレベル。もちろん最近の曲は聴いた事はあるだろうけど、選曲の理由を問われても答えづらいし、アーティスト側から推すのも難しいかと。Perfumeにはいま、圧倒的に知られる（アーティスト名ではなく曲が）ものが必要なのではないか…？と感じた。こんなにライブをできて広がっているのに、いつまでもテレビに弱いってもったいないし、そういう曲はリリースペースが遅くなったときや海外やはたまた落ち目の時に必ず救ってくれる曲になるだろう。今のうちに確立しておくべきだと強く思う。

　ポリリズムの後にBSのみ披露されたスパイス〜ワンルーム・ディスコは概ねTLでも好評だったし、会場の盛り上がりもポリリズムに比べたら格段に良かった。スパイスは振り付けを見れば誰でも音の取り方がすごいと分かるようになっているからテレビ映えするし、ワンルーム・ディスコは分かりやすい歌詞も手伝って「なんとなく楽しい」曲に仕上がっている。このなんとなく感は初見には大事。そこで手を叩けば、その動作とともに記憶に残るのです。
　というわけで、全部が全部失敗という訳ではないし、曲のサイズのせいだけにはできない。今回のような震災復興番組について言えば、例えば「願い」とかファン以外知らないような曲に振ってしまうのもアリだったのではないか。お客さんもなんとなくゆっくり手を叩いてくれるし、それこそ「歌系もやるんだ」という印象が残れば、その後のワンコなどとの差別化も付けやすく見栄えがするのではないか。
　ファンからすれば嬉しいテレビ出演だけど、正直ファン向けにする必要は全くなくて、いかに初見に合わせられるかが大事だと思う。いつもの雰囲気で巻き込めるのは、尺がそれなりにあるときだけ、ってのは経験上分かってるはず。（それは彼女たちだけの問題じゃないしね）直近では春の歌で出演の機会もあるかもしれない。是非、当たり前じゃない選曲で、テレビを意識した組み立て方をして欲しい。

　好き勝手書いてみたけど、真剣にこう思ったので書いたまで。ポリリズムは大好きだけど、あまりにも目立ちすぎてしまったので。AKBグループの多数回の出演を叩くのは結構（だしそう思うのも不思議じゃないレベルだった）だけど、褒めるだけ、人のせいにするだけはやめよう。