LSGを着てるだけですか。


 なぜあんなピンクのTシャツを着て、一年間走り回っていたんだろう。


 どこかの雑誌に書いてありましたが、ファンというのはアイドルを宇宙まで押し上げるべく燃料となるわけです。もちろんチーム内での推しの量によって、全体の方向性は少しずつぶれる。しかし、みな目指すところは、そのアイドルを少しでも高みへと、というもの。そのまとまった気持ちこそが推進剤になるのです。
 そう、この”まとまり”こそ、ファンにとって大切な要素であり、アイドルがファンに求める唯一の点と言っても良いだろう。集団が生まれれば、その中で異端児ははじき出されたり、出る杭は打たれたりしてファンの平均化も図れるというおまけ付きだ。勝手に自治が行われ、全てはアイドル自身の+方向へと力が働くようにしてくれるのだからわけない。
 ここまでにするには、ファンに「タグ付けされた」と自覚させれば早いのではないだろうか。Twitterでいうクラスタ(例:Perfumeクラスタ、#prfmユーザー)のイメージである。アイコンが変わって行くように、自然とそのアイドルに対する批判が出てこなくなり、皆言葉を選ぶようになる。これはファンクラブでも同じ事が言えよう。よりアイドルと近い位置に立っている、及び貢献しているという「満足感」がその人を充足させ、より知から強い推進剤へと変化を遂げる。


 Perfumeもその例に漏れず、ファンクラブを運営し、デジタルコンテンツなどの特典で”タグ付けされる人々”を集めている。その最たるアイテムの一つがLSG(レッスン着、PTA会員限定Tシャツ)であろう。Perfumeの出演するどのライブ会場に行っても見かけるそのTシャツは、毎年ビビットな色があえて選ばれているようであり、現場での「タグ付け」感をより高めている。
 良く現場からのツイートで見る「ピンクT多し!」というコメント。私がその最たる者だという意識があってあえて言いますが、こういった意識が生む一体感はファンをしていく上で重要。流されやすい人ほど煽られるし、臆病な人ほどこれで安心する。一回これを体験してしまうと「次もあの円のうちに入りたい」と思うわけだ。めでたくPTA会員になり、LSGを購入する。
 私はファンになってからPTAに入るまでが1ヶ月なかったので、一体感がない時というのを体験していないが、会場にて「もしTwitterがなかったり、これを身につけていなかったら…」と考える事は良くあって、その度に少し自信をなくす。好きなはずなのに。


 さてこう考えると、一人一人がファンとしてどこまで強化されるかが、落ち目にさしかかっているアイドルを支えられるかに直結します。1年後には残ってるか分からなくて当てにならない数字を増やすのも、今のセールスだけ考えれば大事ですが、コアをより濃くしたり、範囲を広げる時期をあまりに遅くしてしまうと、とたんに旬を過ぎてしまいます。というわけで、この平和なうちに、順調に成長しているうちにどんどん好きになっておきましょう。自主的にです。自信を持って応援できるポイントを一つでも多く記憶しましょう。例えそのポイントが弱ってきても、昔の記憶は補正されて力となるはずです。
 と書くと、とても嫌味に聞こえますね。これを運営側が言ってしまっては皆幻滅です。なので、ここが本人達の力の見せ所。個人的には、3人はこれからPTA会員のスキルアップを一つ目標としてみるのもいいかなと思っています。すでに一定程度煮詰っているところをさらに改造するのはパワーがいると思いますが、必ず双方のメリット(=本人得)になる。

 上りつめた山の頂上は狭くて、すぐ降りなくちゃいけない。